着物に込められた物語を届ける

「こんな着物は作れないかな？」 と、私が投げかける。

「彼らは、私の思いつきとも言えるアイデアを瞬く間に図案に落とし込み、たとえ実現困難な表現だとしても歴史に基づく蓄積知によりさまざまなアプローチでイメージに限りなく近づけ具現化します。 さらに驚くことに、地色や柄色の関係性を巧みに操り、多彩な「染め」の可能性まで提示してくれるのです。これまでも、彼らから着物の奥深さやモノづくりへの情熱を知らしめられた経験は数えきれません。

「ただの生糸が着物として貴方の手に渡るまでには、決して詳らかには語られない数多くの職人たちの物語が込められています。私たちは、できる限り着物と一緒にその物語を届けたい。なぜなら、着物を嗜むには欠かせない要素だから。

「そしてその先には、着物を着る人の物語が新たに生まれることでしょう。その物語を紡ぎ、さらに着物の未来を拓くことは、「きものいづみ」の大きな使命だと思っています。